希望のヒニチ

(著者)マシュマロウ

 私は、不登校だ。五年生になり、新しい環境に不安になって学校を休み始めた。そんなある日、長岡の悠久山公園に行った。相変わらず、仲良くしてくれる親友と、その親友のお母さんが、誘ってくれた。「遠いとこだから、知り合いがいなくていいんじゃない?」って。私は、車酔いが激しいから、やっとの思いで、ここ、悠久山公園に来た。
でも…!車から体を出したとたん、めまいがした。でも、外へ出た。自分に、負けたくないから。みんなに追いつきたいから!近くのコンビニで、棒つきアイスを買ってきてもらうと、気分がおちついてきた。今は…夏だったんだ。もう、逃げない。力を振り絞って最初の一歩を踏み出した。悠久山公園…広い広場の真ん中で、ココまで来たことに、自信が持てた。
「夢じゃないんだ。」
おもわず、呟いた。親友たちは、笑顔で見守ってくれている。それを見て、私自身も安心した。私はただ、黙って動物園の方へ向かった。最近は動物を見る時間がなかったから。その中でも、うさぎに圧倒された。
「か~わ~いぃ~」
その様子を見て、ほっとした親友がいた。
うさぎを見続けて一時間、頭をおさえてうずくまる自分。水分をとらなかったからだ。自分で歩いて車へ向かう。車の中で水を少しずつ飲みながら家に帰った。親は心配していた。だけど私は、「最悪だ。」とは思わなかった。むしろ思えなかった。だって、
「自分を見つけられた、最高の日だから…」
それからというと、自分に立ち向かう姿を見た親は、前は悲しげだった親の姿も、前を向いている姿勢になった。世間を知りたくなくて、閉ざしたテレビにも、目を通すようになった。
それから、大人になって…。孤独と感じる人の助けになれる、カウンセラーの仕事についた。私はアノとき、親友に助けられた。でも今は、そんな、親友みたいな人になりたいと思っている。毎週、悠久山公園に行っている。希望が見えるから。だから、その日を、「希望のヒニチ」とよんでいる。あの日のことは、今でも忘れない。