(著者)佐竹扇壽
時計を確認してラヂオの周波数をあわせる。
今のわたしの楽しみ。それは…。
深夜零時の時報と共に、初老男性の落ち着いた声がスピーカーから流れてきた。
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深夜零時のチル食堂。
タイムテーブルにものらない、秘密のラヂオ食堂。
気づいた方は、ちょっと幸せ。
聞いていただければ、コウフクいっぱいユメいっぱい。
今宵も正味三分、目を閉じて令和にレトロにお付き合いいただければ幸いです。
さて、本日のメニューは…。
――
琥珀色のスープ。昔ながらのチャーシューメンマにネギ、なると。丼ぶり淵には 海苔二枚。
まず、レンゲで盛付を崩さないように熱々スープをひとすすり。
煮干しのニオイとかえしの塩味。それをまろやか、脂の旨味が全てを包み込む。
あったかスープが食道から胃に。
鼻腔と口内にはスープの余韻。
次に盛付を崩し、麺へ。
ーこの時、チャーシューと海苔はスープに浸しておくー
ズルズルズルゥ~~。
ハフハフ、ハ~。
スープをまとった、熱々極細ちぢれ麺。噛むごとに小麦の風味。
ここでまだ麺が口にいるタイミングで、チャーシューにかぶりついては、レンゲでスープも流し込む。
口の中は、麺、麺、チャーシュー。
それをスープでコーティング。
次にお冷を一口含んで、湯気がほんわか白メシへ。
先にスープで浸した海苔を白メシにのせてかっ込む。
磯の香りの隙間から、スープの旨味がジワジワジワ~。
これだけで白メシのおかずに。
さらにここでもチャーシューにかぶりついては、スープをすする。
同じ炭水化物でも麺とは違った幸せが口内に広がる。
この後は、麺、麺、スープ、スープ。お冷を挟んで白メシ、チャーシュー、メン マになると。
そして…。
満腹感と満足感を大いに感じて『ごちそうさまでした』。
――
みなさん、今宵のメニューは、もうお分かりラーメンライス。
設定は、私のふるさと、新潟あっさり醤油のお店。
ラーメンどんぶりの脇には、新潟特産、プックリふっくらコシヒカリ。
先日、新潟市のラーメン外食消費額が、全国一位というニュースを耳にし、喜びの気持ちで選ばせていただきました。
リスナーの中には、新潟でラーメン?とお思いになる方もいらっしゃると思います。が、そんな方ほど是非一度新潟ラーメンをご賞味ください。
本日の新潟あっさり醤油の他に、濃厚味噌や長岡生姜醤油などの新潟五大ラーメン。
この他、様々なバリエーションも多数。
どれも味はもちろん、そのレベルの高さにきっと驚嘆されること間違いありません。
深夜零時、口福を届けるチル食堂。そろそろお時間のようです。また次回の放送をご期待ください。
ザァァァァァ~
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ラヂオが終わると、口の中は口福で潤っていた。それをゴクリと飲み込み、この時間帯にラーメンライスを食したい願望(ユメ)と対峙するわたしがいた。
語るだけ語って、サッパリ終わるイケズなラヂオ。でも、そんなチル食堂が今のわたしの小さな楽しみ。
ー今週末は新潟に行ってみようかな。―